4月、5月にすべきこと
年度初めの労務管理の仕事
大分市の轟社会保険労務士事務所 代表 轟憲人です。
前回の入社に関する手続きに続き、年度初めに行うべき労務管理の仕事を抜粋したいと思います。
4月
- 新入社員の社会保険・雇用保険手続き
- 新入社員の給与処理の準備
- 昇格・降格にともなう給与改定
4月は新入社員の入社手続きや社会保険手続き、さらに既存社員の給与改定もある忙しい時期です。
漏れのないようにしましょう。
上記のほかに「3月分の労働者死傷病報告の提出」もあります。
労働者死傷病報告とは、労働災害などにより4日未満の休業をした従業員がいた場合に、労働基準監督署に報告するためのものです。
3か月ごとに集計して提出します。※ただし、4日以上の休業をした従業員がいた場合には、労働基準監督署に遅滞なく提出しなければなりません。
5月
- 新入社員の社会保険料控除開始
4月に入社した新入社員の場合、5月から社会保険控除が始まります。
また新年度の4月から保険料率が変更になる場合もあり、在職者と退職者に新しい保険率を反映しなければなりません。
特に4月末退職で当月予定払いの場合、3月と4月で保険料率が異なるので注意が必要です。
保険料率の変更の有無とあわせて、退職者がいるか必ず確認しなければなりません。
36協定
4月~6月。
この時期に、36協定の提出を行っている事業所も多いかと思います。
従業員に時間外労働(1日8時間・週40時間以上)をさせる場合、管轄の労働基準監督署に36協定届を提出する必要があります。
なお、休日労働をさせる場合、法定労働時間の上限を超えていなくても届出が必要となるので注意しておきましょう。
36協定の提出時期は決まっていませんが、いつから残業時間をカウントするのか「対象期間」を定める必要があります。
残業の上限規制は最大で1年間を対象期間とするため、36協定届では「起算日」を記載することによって対象期間を明示します。
起算日を2023年4月1日としたにもかかわらず、翌年届出を行ったのが2024年4月10日だった場合、届出が受理される1~9日までに行われた時間外労働・休日労働は、すべて労働基準法違反となってしまいます。
早めに提出するぶんには問題ありませんが、届出からさかのぼって36協定を有効にすることはできないので、労使間で合意した起算日までに必ず36協定届を提出することが大切です。