中央最低賃金審議会の小委員会が最低賃金を過去最大50円引き上げ?
こんにちは!大分の社労士、轟社会保険労務士事務所代表 轟憲人です。
今回は、先日行われた中央最低賃金審議会で地域月最低賃金額改定の目安について答申が公表されたので紹介します。
最低賃金とは
「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」の2種類があります。
厚生労働省の特設サイトなどによると、最低賃金は、最低賃金審議会で、賃金の実態調査結果などを参考にしながら審議され、
①労働者の生計費、②労働者の賃金、③通常の事業の賃金支払能力を考慮して毎年、改定されています。
最低賃金には、産業に関わりなく地域内のすべての労働者に適用される「地域別最低賃金」と、例えば電気機械器具製造業、自動車小売業など特定の産業に働く労働者に適用される「特定最低賃金」の2種類があります。
中央最低賃金審議会が毎年、整合性を図るため、地域別最低賃金額改定のおおよその「目安」を作り、地方最低賃金審議会へ提示しています。
あくまで目安ですが、2024年度の地域別最低賃金額改定の目安について、7月25日に開催された第69回中央最低賃金審議会が答申をまとめました。
2024年度の引き上げ額は最高
小委員会は例年、47都道府県を経済情勢などに応じて、上位からA(東京など6都府県)、B(京都など28道府県)、C(沖縄など13県)の3グループに分け、目安額を提示しているが、今回はいずれも50円としました。
最低賃金は昨年度、過去最大となる43円が引き上げられ全国平均が初めて1,000円を突破しました。
それにより、中小企業の負担感が増しているところです。
しかし、生活必需品に限った消費者物価指数の上昇率が平均5%を超えていることなど、消費者物価の上昇などを重視した結果だそうです。
都道府県別の最低賃金の目安一覧
一律で50円を引き上げた九州各県の最低賃金(おおよその額)は下記のようになるとおもわれます。
都道府県(九州のみ) | 最低金銀額(目安) |
---|---|
福 岡 | 991円 |
佐 賀 | 950円 |
長 崎 | 948円 |
熊 本 | 948円 |
大 分 | 949円 |
宮 崎 | 947円 |
鹿児島 | 947円 |
沖 縄 | 946円 |
最低賃金引き上げ、いつから?
今後、各地方最低賃金審議会で、中央最低賃金審議会で答申された改定額の目安を参考にしつつ、地域における賃金実態調査や参考人の意見等も踏まえた上で答申を行い、各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定することとなります。
発効予定日は例年なら、10月ごろとなる見込みです。
最低賃金の引き上げに役立つ助成金や支援策
令和6年度地域別最低賃金額改定の目安に関する公益委員見解として、政府に対して、生産性向上支援、価格転嫁対策の徹底、年収の壁の撤廃など、中小企業の賃上げ環境整備を強く要望しました。
まだはっきりとは言えませんが、今後新たな助成金等ができてくるのではないでしょうか。
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